「神なんて式神以外で初めて見ました。」



時雨はアグライアがいた場所を見ながら言う。



『まあ、あんまり契約する人いないしね。
けど、神とも精霊ともバンバン契約してる人もいるんだよ。』



眞佳は来るもの拒まずだから。
精霊も神も同じ条件で同じ待遇で契約する。

そんな性格の眞佳だから精霊であろうが神であろうが好かれて契約をせがまれる。

それを、よっぽどの場合を除く殆どを受け入れるんだよね。

膨大な魔力と神力があるからこそできる芸当。

まあ、そんな性格のせいで、昔は友だちなんかほとんどいなかった眞佳は精霊や神との関わりが上手いかわりに、人との付き合いが苦手。

そのうえ、あまり自分から関わらないタイプのせいで、他人に興味のない人としてまわりに認識されるんだ。



「向こう側で起こったさっきの光は‥‥」


『嵐燕のS部隊 隊長が起こしたものだよ。』


「S部隊 隊長!?
学園生なんですか?」


『時雨と同い年だよー。』


「えっ!?」



その時、黒のフードを被った人影が近寄ってきた。

たぶん、ちゃんと祓えているか確認に来たんだろうな。

黒いフードの人物‥‥眞佳は時雨がいることに気がついて、フードを深くかぶりなおし、いつもよりワントーン低い声で話しかけてきた。