「これくらいじゃ無理か。
やっぱり根源を断たないとダメみたいだね。」




軽く溜をついて、式神の合間をぬって術者の元へ走っていく眞佳。

術者の元へたどり着くと眞佳は自分より数弾背が高い彼に抱きつく。



「大丈夫。ゆっくりと深呼吸してください。」


「‥‥っ!?」


「落ち着いて。大丈夫です。
落ち着けばあの子達はいうことを聞いてくれますから。」



ゆっくりと穏やかな声で諭すように声をかける眞佳。

すると本人が落ち着いたのかハラハラと式神たちが散っていく。

それを見届けた眞佳は当事者から離れ、僕も結界を解く。




「式神を使うのは術者の精神に深く関わります。
それは他の神力についても言えることです。

自信がない、制御できない、自分には無理だ。
そんな負の感情があれば簡単に暴走します。
使いこなしたいならば、多少は自分に自信がなくてはなりません。

思いつめて術を使うのはよくありませんよ。」


「‥‥あ、あぁ。」