「無謀なものでなければお聞きします。」





眞佳も条件がある事くらい予測していたのだろう、すんなりと聞き入れる。





「坂井くんが神力を使うところを見せて欲しいこと、その胡散臭い敬語をやめること。」


「……それだけ?」


「うん。」


「なーんだ。
もっとめんどくさいことかと思った。

それくらいなら大丈夫だよー。」




ニコッと笑った眞佳。
そんな眞佳に時雨は2枚の式紙を渡す。




「んー、ここじゃ狭いかなぁ?」




こてんと首を傾げた眞佳はどうしたものかと考えている。




『中庭にしたら?
そこなら人通りも少ないだろうし。』


「…そうします!」




授業開始まで後わずか。
自由参加の特別授業だから遅れても問題はない。

特に眞佳は普段から参加してないし、僕らもコントロールが下手なわけじゃないからね。

中庭に着いたと同時に眞佳が2枚の式紙を指で挟んでふっと軽く息を吹きかける。

すると現れるのは無数の鳥と可愛らしい白の猫たち。