「了解。
それじゃあ、そろそろ寝なきゃね。
生徒会会計の弟くん?」


『なんの冗談ですか?
僕は坂井眞佳。


強いていうなら生徒会 会長の弟の友達の従兄弟です。

脇役上等ですよ、蓬莱先輩?
おやすみなさい。』



にやりと笑った兄ににやりと笑って返す。

僕は脇役。
それでいい。

主人公なんて決まりに縛られた立場なんてゴメンだよ。



「ふふっ。おやすみ。坂井くん。」



雪兄に背を向けて寮への道を歩き始めたとき、後ろからそんな声が聞こえた。

優しくて、大好きな兄の声。







脇役だけど脇役になれない僕の物語が幕を開けようとしていた。