[貴様ら…何をしたっ!?]


『陰陽術って本来どういうものか知ってる?』




タナトスに笑みを絶やさないまま近寄る。

反射的にタナトスが下がるが、後ろには時雨が控えている。




『どの書物読んでも、挿し絵的に2人以上でしてたんだよねぇー』


「それで、俺たちは1つの仮説を立てたんだ。」


『「陰陽師なんてそもそも存在しないってこと。」』




そう。
陰陽師として僕らに伝わってきたものは間違いなく神力を極めた者のことだった。

陰陽師とは、陰陽術を極めた者をそう呼ぶ決まり‥‥ではなく神力の中でも式神使いが複数集まったグループの事をいうらしい。



[では、我を滅する気か?]


『陰陽術はタナトスを滅する技。
それと同時にタナトス〝救うことができる技〟でもある。』


[我を救うだと?]


「俺たちが提示する条件は3つ。」



時雨が指を3本立ててタナトスの前に突き出す。

僕はしゃがみこんだタナトスに目線を合わせてしゃがむ。

そして指を一つ一つ立てながら言葉を紡いでいく。

僕らの手に握られたままの黒の式紙。
いつでも術が発動させられるのを察しているのか抵抗をしてこないタナトス。