『無理しないでね?
時雨が倒れたら、計画が上手くいかなくなるから。』


「無理ならはじめの段階で断ってるよ。」



クスクスと笑う時雨。

この人、本当に同い年なんだろうか?
年齢詐称してる気しかしないんだけど‥‥。



『まあ、この件は皆には内緒ね。』


「分かってるよ。」



話が終わったと同時に、エレベーターが静かに開く。

僕たちは降り、教室へと歩を進めた。

クラスが違う僕らは途中で別れ、僕は携帯を取り出す。

嵐燕用の携帯。

動き出すのは放課後。

たったそれだけを打って、一斉送信する。




大切なものを守るためなら
僕は悪役にも善人にもなろう。



刻は来た。



脇役の仮面を脱ぎ捨てて
繕いをなくして‥‥‥‥


何に変えても‥‥





『必ず守ってやる』





誰も、何も、犠牲にしないよ。