『八城先生は眞雪先輩と引き分けてらっしゃいましたよね?』



八城先生が弱いなんてことはないから、眞雪先輩がそれだけ強いんだろうか?



「時雨、あれは先生が手を抜いてただけだぞ。」


『そうなんですか?』


「副隊長が全生徒の前で負けを晒すわけにはいかないだろうからな。

八城先生はマナより強いんじゃねえか?
この中じゃ一番のやり手だと思うぜ?」



俺たちと同じ内容の訓練をていたはずの雪乃先輩だけど、疲れた様子などなく笑っている。




「雪乃先輩、そんな事分かるんですか?」




隼人が問いかけると雪乃先輩は首を横に振る。



「いや、なんとなくそう思っただけだ。」


『なんとなく‥‥ですか。』



なんとなくなのに何故こんなに自信を持って語れるのか‥‥。

すると、先生たちが拍手をした。



「雪乃くんの言う通りだよ。」


「眞佳より希の方が強いわな。」


「けどそれは、経験の差というだけですよ。」