『‥‥ねぇ、ディオネ。
聞きたいことがあるんだけど。』


[あら珍しいわね、私を呼び出すなんて。
なにかしら?]



本を読みながら声をかけると現れたのはアグライアに似たドレスを着て、長い髪を結っている女の人。

天空神 ディオネ。
人間の見た目で例えるなら大学生くらいかな?

僕の契約神だよ。

ディオネは決裁場でのんびりしてた時に知り合って、仲良くなって契約したんだー。



『陰陽術ってさ、現代では使えないの?』



本のページをめくる。

ディオネは不思議がることもなく、柔らかな声で返してくる。



[そうねぇ。
使えない訳ではないと思うわよ?
使える人が少ないというだけでね?]


『適正者って見抜けるものなの?』


[それは、本人が使ってみないと分からないわね。

一概に陰陽術と言ってもよく知られているものから、マイナーなものまでいろいろあるらしいから。]


『かなりアバウトだね。』


[私はこれに関しては詳しくないもの。
けど、マナちゃんが陰陽術学びたいっていうなら、協力は惜しまないわよ?]


『それは、心強い』