『冗談じゃねぇよ‥‥─ ─ ─ ─っ!』



僕が〝中のやつ〟の名前を叫んだ瞬間、剣から力が放出される。

爆音で叫んだ名前はかき消されただろう。

簡易結界を張ったから死にはしなかったけど、左手が使い物にならないくらいな傷ができた。

あー。
指一本動かないって感じ?



『これ以上は無理だね。
参ったー』



最近怪我多いなぁと、思いながらふわりと笑う。



「勝者、香山哉!」


「‥‥え、これ‥‥俺がやったの?」


『覚えて…ない?』



完全に取り込まれてるわけではないってことか。



「眞佳くん、その怪我…もしかして俺が!?」


『僕が油断しただけですから。』



今の先輩は‥‥あいつじゃない。
もう、勘弁してほしいよ