ふと、聞こえた声。
いつもより少し緊張している声はなにか起こったことを表している。



『どうしたの?ウィンディーネ。』


[神界から神が一人消えました]


『消えた?』


[影も形もなくなってしもたんえ。
その神の名前はタナトス。
〝死そのものの神〟という、危険な神どす。]




タナトス‥‥。
文献で見たことがある。

死を意味すると言うだけあって、膨大な力を持っている‥‥らしい。



[一応、それだけ伝えよう思て出てきたんや。
気をつけておくれやすね。]


『ありがとう。』



そして消えたウィンディーネ。
タナトスの消失にアレクトの出没。

アレクトに救われた町。

無関係とは思えない。



「Aブロック、準決勝を行います!
蓬莱眞佳VS香山哉(かやま さい)!」



マイクを通して言われた準決勝開始の合図。
香山哉先輩。
茶髪に琥珀の瞳。