『‥‥っ、参ったよ』



「し‥‥勝者、蓬莱眞佳!」



どこからか救護班を呼ぶ声が聞こえる。

その慌てぶりに僕も眞佳も笑う。



「救護なんていらないでしょー?
ね、雪兄?」


『そうだねぇ。
だってこれ‥‥‥‥』


『「おもちゃだもん」』



周りが驚きに包まれた顔をする。

眞佳は〝引っ込む短剣〟で遊びながら、僕は聖剣をしまって笑う。

あーあ。
眞佳に負けた。

敗因は言葉で言っていても、眞佳に本気で向かえなかった僕の甘さ‥‥かな?

まあいいや。
眞佳に甘いのはいつもだし、それに不服はないしね?