分かってる。
分かってるんだよ。

僕はひとりじゃ何も出来ない事。
雪兄や他の皆のサポートがどれだけ有難いことか。

でも、僕は素直じゃないから。



「さ、お説教はここでおしまい。
仲直り‥‥ね?」


『うん‥‥っ。』




いつもの笑顔、いつもの口調、いつものトーン。

優しく僕の頭を撫でる雪兄はもう怒ってないみたい。

いつもそう。
僕も雪兄も意地っ張りで頑固だけど、雪兄がなんだかんだで折れてくれる。

甘やかされてるんだろうなぁ。



「それにしても、一回戦で眞佳と当たるとはね。」


『僕も驚きだよー
まあ、そのお陰で警備が回りやすくなった。』



どちらか負けた方が警備にあたる。
隊長又は副隊長が回るってことはそれなりに隊員の統率もとれるだろうからね。



「僕は負ける気無いからね?」


『僕だってっ!
警備の用意しといた方がいいんじゃない?』


「ふふっ。
兄が弟に負けるってのも複雑だからね。

はじめから本気だよ?」


『そんなこと言ったら隊員が副隊長に負けらんないでしょー。』