「聖域ってことか‥‥ですか?」


「ふふっ。
タメ口で大丈夫ですよ、野村先輩?」


「え‥‥あ、いや‥‥」


「ならお互いに‥‥皆タメ口にしようか。」



ふわふわ笑う眞佳先輩。
その言葉に渋々ながらもみんなが頷く。

まあ、僕は敬語使い続けるけど。



「そうそう。
ここが聖域かって質問だったよね。

あながち間違いではないよ。
聖なる場所だから。

僕らは決裁場って呼んでるけどね。」


『決裁場?』


「身を清め、神力を高める場所。
ここで定期的に清めることで精霊使いじゃなくても神力さえ開花してれば神と契約できるんだよ。」


「僕がアグライアと契約できる理由だよ。」



いつの間にかどこかへ行っていた眞雪先輩。

後ろから聞こえた声に振り向くと若草の上に紫の袴を着ていた。




「まあ、ここは僕か雪兄の許可がないと入れないから、こんな場所があるって覚えておいて?

さ、これから本部内を案内するね。」




そう言って僕らを案内してくれる眞佳先輩。

決裁場から出て初めに行ったのは食堂。
机とかの配置を変えたら宴会やパーティーもできるらしい。

次は沢山ある個室の一つ。
商談や規模の小さい会議に使うらしい。

大きい会議室もあるらしいけど、その部屋を使うときは、一般市民に危機が出ると確定した場合や死人が多く出た場合らしく、基本は使いたくないと眞佳先輩が鍵を持ちながら苦笑いしてた。