黒い車に乗せられて、訳のわからないまま連れてこられた嵐燕本部。

ものすごく大きいお屋敷っていうのが第一印象。

嵐燕本部なんてシークレット情報でイメージの中では大きいビルと思ってたんだけど、日本特有の和なお屋敷だった。



「あ、着替えてくんの忘れた」



ふと呟いた眞雪先輩。
着替え?



『着替えってどういうことですか?』


「んー?
いや、ここ和式だからみんな袴とか着物とかだからさ。

まあここにも予備あるからいいんだけど、ここで着替えんの嫌だなあと思ってさ。」


『‥‥‥‥なるほど。』



いつもと変わらない笑顔な眞雪先輩とは違い、ガチガチに緊張してるその他大勢。

まあ、眞雪先輩は今更緊張なんてしないんだろうけど。

僕は深く考えてない。
なるようになるだろ思考だったりするから。

そんなことを考えてるうちに眞雪先輩は進み、僕らは後をついていく。



「眞雪様、お待ちしておりました。」
「遅いよ、眞雪くん。」
「坊主も大変なんだから許してやれよ」