凛とした態度。
どことなく醸し出した風格。
ただ前を見据える瞳。

くだらない代表の言葉や眠さ半分で聞いていた名前など覚えていないが、雰囲気だけは記憶に焼き付いている。




「あの空気は眞雪先輩に似てるって式神たちがよく言ってるよ。」


『眞雪先輩に?』




蓬莱眞雪(ほうらいまゆき)

この学園、蓬莱学園の息子で3年Sの実力者。
神力…結界術の使い手で時雨に神力の使い方を教えた生徒会 会計の先輩だ。




『眞雪先輩の空気は独特だろう?』



いずれこの学園を統べる方。
俺はもちろん時雨や他の生徒たちも憧れている人物だ。

先輩の空気はそれこそ、トップに立つに相応しく、他人を魅了する王のような……

そんこなことを考えながら、出来上がった書類を時雨に渡す。

書類を受け取ってサラッと目を通した時雨は副会長欄にハンコと署名をした。



「眞雪先輩の空気が独特なのは確かだけど‥‥。
それに似てる空気を持つ人がいてもおかしくないよ。」




そう呟いて立ち上がる時雨。