突然、ポフっと頭を撫でられてキョトンとしながら雪兄を見ると、雪兄はおかしそうに笑う。



「やっぱりこっちの触り心地の方がいいや」


『ウィッグもいいやつなんだよー?』


「知ってるよ。
けど、地毛の方が僕は好き。」


『えへへっ。お手入れちゃんとしてるから嬉しい』



ほのぼのと会話していると3回ノックが鳴った。



『どーぞー?』


「失礼します。」




入ってきたのはユノちゃん。



「雪乃、どうしたの?」


『ユノちゃん?』



いつも以上に真剣な表情のユノちゃん。

ゆっくりと僕らの前まで来たユノちゃんは自然な仕草で僕らの前で片膝をついて僕の手の甲に軽く口を付けた。

一瞬驚いたけどその意味と行動の理由が分かって笑う。



『びっくりしたぁ。
返事の仕方がキザだねー』