「あまり目立ちたくない子みたいだね。」


『…そうなのか?』


「式神たちがそう言ってる。」




ふと時雨を見ると、時雨の肩に人型の紙が乗っていた。

これが時雨の特殊能力。
時雨の魔法は水。

しかし、それとは別に特殊能力が備わっていてそれが式神使い。

特殊能力は滅多に現れない魔法とは違う能力のこと。

式神使いとはその名の通り魔力ではなく神力(しんりょく)…を込めた紙を動かすもの。

神力ってのは神に特別愛されたものがつかえる力だといわれている。

神力を極めれば式神以外にも色々できるらしいのだが、時雨は極める気がないらしい。

もったいない。
まあ、神力は使える者が少ないから教えてもらうことができない。

そのために、極めるという行為をしにくいんだ。




「魔力もテストもAの中でトップ。
確か、去年の入学式の時に新入生代表をしてたね。」


『あの時のチビか!』


「チビって……。
俺と隼人が代表断ったからあの子に回ったんでしょ?」


『あんなのめんどくせぇし。
けど、あのガキが坂井眞佳なのか。』