「僕の家‥‥今井家は本来は神凪といとこ関係です。
血が全くつながってないわけではありませんが‥‥

物心つく前に親が他界して、施設や親族を色々とたらい回しにされて幼少期に親というものを知る機会がなかったんです。

親族には魔力を持つ者はほとんどいませんでしたから、仕方ないんですが子ども心に寂しかったのをよく覚えています。」


『魔力のない者にとって、魔力保有の子どもは脅威だからね‥‥』



子どもの不安定な魔力はいつ暴走するか分からないから魔力が開花していない人からすれば恐るべき存在。

まあ、その逆で大人の魔力保有者は救いなんだけど。

今井は神凪の血縁ではあるけど魔力保有者が出にくい家系。

そりゃ、色々問題あるよね‥‥



「時雨先輩のご両親が拾ってくれていなければ、僕はどこかで野垂れ死にしてたかもしれません。」


『‥‥‥‥‥‥‥‥。』


「それでも‥‥。
親や家族というものがいまいちよく分かりませんけど‥‥眞雪先輩と眞佳先輩の関係は羨ましく思います。」


『‥‥僕らはどんな風に見えてるんだろうね』



僕らにとっては普通の行動しかしてないから。と笑うと桜は寂しそうな笑顔から花が綻んだような綺麗な笑顔になり言う。



「僕が言うのもあれですが‥‥
理想の兄弟っていう感じじゃないですか?」


『よく分からないかな。』