『にがーい!』



治療室に連れてこられた僕はべっと舌を出して渡された水を一気に飲む。

ほんとありえない。

この薬‥化膿止めはウィンディーネの特別調合らしい。

たしかに、ウィンディーネの作る薬はよく効く。それは認める。

けど、苦いものは苦い。

ウィンディーネのせいではないけど、とりあえず恨んでおこう。



「全く‥‥お披露目の前に倒れないでよ」


『分かってるよ』



お披露目。
それは僕が蓬莱であることをばらすということ。

今回のマンティコアの件。
父様、母様、雪兄、僕。

そして、希ちゃんや嵐燕のみんなにこの学校の中で僕のことを知っている教員の人で話し合った。

決まった答えは満場一致で生徒に新入生歓迎会の時におこった異常を知らせるということ。

今後、対処するとしても警戒を怠るのは良くない。

幸い、この学校は上級者が集まる場所。
新入生歓迎会の時の異常を知らせた事でパニックになることはないだろう。