『どうしたんだ?』


「俺のところに会長用の書類混ざってて…」





ヒラヒラと紙を見せてくる時雨。
紙を見ると間違いなく生徒会長の書類だった。

締切は明日。




『これ…お前の判子もいるんじゃないか?』




書類を受け取って軽く目を通すと、副会長の署名が必要なところが目に付いた。

確認欄みたいなものだが…。

俺の言葉に困ったように時雨は頷く。



「隼人の記入後にいるんだよね。」


『今のうちにやっちまうわ。
ちょっと待っててくれねぇか?』


「わかった。」



時雨が頷いたことを確認して書類に取り掛かる。



「あー、俺帰るね。」



それまで黙っていた涙がすっと立ち上がる。