気になっても、これ以上詮索することなんかできない。
気にしなければいいだけ……だ。
もしかしたらただの知り合いの人か、親戚とか家族の人の名前を呼んだだけかもしれない。
あんまり深く考えちゃダメだって。
わたしの悪い癖はいろいろ考え込んじゃうところだ。
そんな深く考えなくてもいいのに、ひとりでいろいろ考えて悪い方に走り出してしまう。
そうだ…今のは聞かなかったことにしよう。
自分に無理やり言い聞かせる。
「何も聞いてない…何も聞いてない!」
あんな一瞬の出来事なんかパッと忘れてしまえばいいんだ。
気を紛らわせるように、さっきまで逃げていた英語の課題を再開した。

