「………」
あ、あれ?反応がない。
不安になって顔を上げると、
「……あー、それは反則」
ちょっとだけ、照れた顔をしていた。
う、うそ。尊くんが照れてる!?
「……あんまこっち見ないで」
「やだ、もっと見せてよ!」
「……ほんと生意気。そんな可愛いのどこで覚えてきたの」
自分の手で顔を覆って見せてくれない。
「尊くん、こっち向いて」
「やだ」
こっち向いてくれてもいいのに、
照れ屋さんの尊くんは簡単に言うことを聞いてなんかくれない。
「尊くんって照れ屋さんなんだね」
「……別に照れてないし」
「照れてるよ!」
いつもより積極的にギュッてしてみた。
「あんま生意気なことばっかしてると変な気起こすよ?」
「変な気って?」

