すると、何を思ったのか
はぁ、とため息をついて。


「似てんだよね」

「は……？」


「見た目とか雰囲気とか、性格とか全部……面影か何か重ねてんのか知らないけどさ」


さっぱり意味がわからない。
何をひとりで呟いて、ひとりで完結させちゃってるの？


「まあ、尊が何考えてるのかはアイツ本人にしかわかんないことだけど。もしかしたらもう吹っ切れてる可能性もあるし？」


結局戸松くんは何が言いたくてわざわざ引き止めたの？


「好きなのはわかるけど、最後に傷つくのは自分だってことは覚えといたほうがいいかもね」


……なにそれ。


今更そんな意味深な忠告されても
どうしようもないんだけど。


どうせ、これ以上聞いたって答えてくれないくせに。


わけのわからないことを言い残して
戸松くんは去っていった。