そして、数分もしないうちに戸松くんがわたしの制服を届けてくれた。

「おーい、せっかくだから千湖ちゃんのメイド服もー少し見せてくれても……」

「うるさい、黙ってさっさと消えて」

「おいおい、つめてーな」


お礼も言わず、戸松くんを閉め出してしまった。


「早くこれに着替えてきて」

「う、うんわかった」

こうして、無事にわたしは制服に着替えることができ。

そして、尊くんの怒りは空園先生の方に向けられた。


だけど、そんな尊くんを空園先生は
「えぇ?せっかく可愛い花井さんを見せてあげようと思ったのにー?」
なんて、軽く受け流されてしまった。

うん、やっぱり空園先生の性格の歪み方はなかなか素晴らしいものだ。

それから、交渉して文化祭当日、尊くんはなんとか裏方のほうに回してもらえたのでした。