しゃがみこむわたしの目線に合わせて、尊くんもしゃがむ。

「……なにこのフリフリしたやつ」

不機嫌そうに声を出して、メイド服についているフリフリを引っ張る。


「うっ……やっ、えっとこれは……」

「なんでこんなの着てんの?千湖は裏方でしょ?」

そうですよ、そうですよ。
わたしは本来裏方のお仕事なんですよ。


「だ、だって、空園先生が……」

「……チッ、美郷の仕業か」

なんとも盛大な舌打ち。
とてもとてもご機嫌が悪そう。


「まさかその格好でこの辺うろついてたわけ?」

「そ、そうです…」

だって、制服とられてるんだもん。


「……ありえない。頼むから自分の可愛さ自覚してよ」

そう言うと、わたしの身体をふわっと持ち上げた。


「へ?」

そのまま、連れていかれた場所は
旧館のいつもの部屋。