「ありがと、千湖。大切にする」
プレゼントのお返しのように、再びわたしを抱きしめてくれた。
「気に入ってもらえてよかったぁ…」
たくさん悩んで、選んだかいがあった。当日ドタバタしちゃったけど。
「サファイア選んだんだ?」
「うん、誕生石?らしいから」
「へー、知らなかった。青って落ち着くからなんか好き」
どうやら、サファイアにして正解だったみたい。
喜んでもらえてよかった。
「そーいえば、千湖は誕生日いつなわけ?」
「……5月です、もう終わってます」
自分で言って落ち込んだ。
でも、こればかりは仕方ない。
「……じゃあ、来年ちゃんとプレゼント用意しないとね」
「っ!」
今さらっと言われた言葉がどれだけ嬉しいかわかって言ってるんだろうか?