甘すぎてずるいキミの溺愛。




わたしがいない間に、いったい何人の女の子に声をかけられたんだろう…。

そんなことばかり考えてしまう。

はぁ……わたしって心狭いな…。

こんなこと、仕方ないって割り切らなきゃいけないのに。

できないなんて情けない。


モヤモヤと……今まで感じたことがない感情に襲われる。

きっと、それはヤキモチってやつ。

相手のことを好きであればあるほど、この感情はとても厄介だ。


「戻ってくるの遅かったけどなんかあった?」

「っ……」

ダメだ、笑えなくなってきた。
表情ひとつ、うまく作れないなんて、ほんとに子どもだ。

そんなわたしを不思議そうに見つめながら「前髪ボサボサ」と言って、乱れた前髪を直してくれた。

走ってきたせいで、髪型なんか気にすらしてなかった。