そんなところでヤキモチなんて妬かなくていいのに。
だけど、そうやってヤキモチを妬いてくれるのが嬉しくて、愛おしく感じてしまうわたしって重症なのかな?
ジーッと改めて、尊くんを見つめると、やっぱりお兄さんとは違う。
わたしの瞳に映る尊くんのほうが
ずっと、ずっと魅力的。
それくらい、夢中で
尊くんしか見えてないのに。
それが伝わって欲しかった。
伝えたかった。
だから、頑張ってみた。
少しだけ、かかとをあげて、
精一杯、背伸びをして、
チュッと触れるだけのキスをした。
自分でもこんな積極的なことよくできたなって思う。
それを証拠に、目の前の尊くんは目をまん丸に見開いてこちらを見ていた。
「ッ……、何それ反則」

