ただ、空園先生のことは出会った時からずっと忘れられない存在だったそう。
だからといって、それで自分がどうこうして、手に入れたいとかそんなことは考えたことはなかったらしい。
それと、尊くんが中学2年だった時、空園先生は地元を離れたらしく、会う機会も減ったらしい。
だけど、今になって、またこちらに戻ってきたみたいで。
「……正直久しぶりに美郷に会った時は驚いたし、動揺した」
それがあの日、2人で出かけた時のことだったんだ。
それから、数週間後にこの学校に赴任してくるとは思ってなかったみたいで、そのことを尊くんは知らなかったらしい。
「……まさか、自分の学校に先生としてくるとか予想もしてなかったし」
そのまま、尊くんは話し続ける。
「でも不思議と久しぶりに美郷を見てもなんとも感じなかった」
「え……」

