「わたしあの先生苦手だわー」
小町が頬杖をついて、教卓のほうにいる空園先生を指差して言った。
「どうして?」
「なんかあのキラキラッみたいな笑顔が胡散臭い。あんな性格いい女ってそんないないと思うし。裏はちょー黒そう」
さすが小町…と言っていいんだろうか。
みんな空園先生を慕っているのに、小町は全くそんなことはないみたい。
「千湖もそう思わない?」
「う、うーん…どうだろう」
ここはノーコメントで。
だけど、わたしの反応が気に入らないのか、「えー、絶対あれは裏あるって」と不満そうに愚痴を漏らしていた。
すると。
「あ、花井さん!」
生徒たちの質問が終わった空園先生がわたしを呼んだ。
「うわー、性悪女に呼ばれてんじゃん」
性悪女って…他に言い方はないんだろうか?と思いつつ、空園先生がいる教卓に足を向けた。