「別に……いつもと変わらないよ」

何言ってるんだろ。
いつもと変わりすぎてるから小町に突っ込まれてるのに。


数日前に、戸松くんから聞かされたことのせいだ。


尊くんは昔から美郷さんのことが好きだった。

2人が出会ってからだいぶ経っているはずなのに


きっと今も、尊くんの気持ちは間違いなく美郷さんにあるんだ……。

それくらい諦められない存在。


どれだけわたしが苦しんで、泣こうが、この事実が覆ることなんかない。


「雪野くんが原因?」

小町が心配そうな顔をしてそう言った。

そんな顔されたら、小町の優しさに甘えて泣き出してしまいそうで。


「ち、違うよ……っ」


堪えるのに必死。