返事のない日記【短編】






 ショウちゃんへ。



 ショウちゃん。

 お手紙読んだよ。

 ショウちゃんのお陰で、こんなに漢字を読み書き出来るようになったの。

 ショウちゃん、ごめんね。

 ショウちゃんは私のことを庇ったせいで、警察に捕まっちゃうんでしょう?

 私が叔母さんを刺してしまったせいで。

 殺人は悪いことなのに、ショウちゃんはおまえは悪くないって、ずっと慰めてくれた。

 私が全て話したあの日、ずっと手を握って、怖くて仕方なかった私と一緒に寝てくれた。


 初めて会った時、正直怖いなって思った。

 叔母さんみたいに沢山殴られちゃうのかと思ったよ。

 でもショウちゃんは怒鳴っただけで、一回も叩いたり蹴ったりしなかった。

 今まで、一回も。

 私ね、ずっとあの家から出られずに居たから、他の人たちがどんな性格なのか分からなかったの。

 皆、蹴ったり殴ったり、そういうのばかりだと思ってた。

 でも違うんだね。



 ショウちゃんは自分のことを腐ってるってよく言うけど、そんなの私もだよ。


 私も毎日死にたいと思ってたの。

 生きてるのが辛かった。

 でも、あの家は死ぬことさえ考えさせてくれなかった。

 考え事をすると、すぐ殴る。

 でもね。

 ショウちゃんの日記を盗み見してすごく安心したんだ。

 同じ人もいるんだって思えた。

 ショウちゃん、一つ謝るね。

 貴方は私がここの家を選んだことを運命ってまるで偶然のように言うけどほんとは違うんだ。


 私、今まで何回か家出したことがあって、その時に猫(あとのアズキね)を追いかけててこの家を知ったの。

 たまたまその時窓からショウちゃんが見えた。

 ほんと、死にたそうな顔してて、でも死にたくないって、本当はもっと頑張りたいって何かと戦ってるような顔をしてた。


 ショウちゃんも優しいよ。

 優しすぎるよ。


 何回も家出して、心配かけてごめんね。

 でも最後になんかさせないよ。

 私、絶対ショウちゃんとまた会うから。

 最後なんて言わせない。


 だから、この手紙はまたねという言葉で終わりたいと思います。


 あ、あとね。

 ずっと言えなかったんだけど私、ショウちゃんの字が凄く好き。

 ショウちゃんの字を見てるとすっごい温かい気持ちになるの。

 ショウちゃんって、字の天才?

 こんな温かい気持ちにさせてくれるのショウちゃんだけだよ。



 それじゃ、またね。

 不器用ですぐキレて、優しくて、字がキレイなショウちゃん。

 誰よりも、大好きだよ。




 瑠美より。