返事のない日記【短編】






 《六月七日 雨》



 俺は死にたいと思うが今日も無理だった。

 出版社の連中が「早く新作を書かないと捨てるぞ」と言ってきたが脅しにもならない。

 売れたいわけじゃないのに、アイツらはその台詞で俺が言うとおりになるとでも思ってる。

 文を書くのは好きだ。

 それは昔から変わらない。

 ただ、ユイコが面白半分で勝手に応募して、それを勝手にアイツらが採用しただけ。

 俺の意思なんて無かったのに。

 死にたい。