「先生はワルイヒトです」

「…そうだね」

「生徒に校則破らせるし」

「…うん」

「騙すし」

「…うん」

「身代わりなんて言い出すし」

「ゆずちゃんも乗ってくれたけどね」





いろんなことがあって、でもその一つ一つが今に繋がってる。



そのどれか1つでもなかったら今はきっとない。





「なのに、好きなんです」

「うん」

「それは先生が優しかったから。イイヒトだったから」

「…うん」





女の子をたぶらかすワルイヒト。


でも、先生を知って変わった。


本当はすごく優しくて人思いで…


だから好きになったの。





「だから足して割って…先生はちょいワルです」

「ちょいワルおやじって流行ったよね」

「先生は他の人に好かれなくていいです」

「独占欲強いねえ」





先生が私以外を見てるのは嫌だ。



もちろん、誰かの代わりとして見られるのも。





「好きな人なんだから当たり前です」

「優等生のような回答だね」

「先生はちょいワルイヒトです」