お化け役ってずっとその場所にたってなきゃいけないから、 もっと退屈だと思ったけど、人を驚かすのって案外楽しいもんだな。 急に私が出てきたときのお客さんのあのビビりよう。 ツボる。 「代々木ちゃん!」 「空緒くん。どうしたの?」 「屋上行って。」 「は?」 「いいから!」 「ちょっ…。」 突然私の前に現れた空緒くんは、私の背中を両手で押して、屋上へ行くように促した。