さて、私と先輩が付き合いだしてから数ヶ月。


あっという間に夏休みが明け、二学期に突入した。



ちなみに私と先輩が付き合ったことは、例の3人には一応報告したけど、夜籠はぷんぷん怒りながらも祝福してくれたし、師匠も喜んでくれた。


空緒くんに関しては、先輩とグチグチ言い合いをしていたけれど、あとでニコニコしながらおめでとうと言ってくれた。



「さらちゃーん。今日の放課後ね、俺ね、進路相談があるんだけど……」


「そうですか。じゃあ先に帰ってますね。」


「嫌です。待っててください。」



斜め45度から子犬のような潤んだ瞳で見つめてきてもめんどくさいものはめんどくさい。



「嫌ですよ。めんどくさいから。」


「なんでよー!夏休みは俺の受験勉強でなかなか遊べなかったじゃーん!」



確かに言われてみればそうなのかな…?


ふつうの恋人同士は結構遊んだりしてるのかも。



「ね?ね?お願い!!俺の進路相談が終わるまで待っててください!」


「〜〜っ。はぁ。…わかった。」


「ぃやっほーーーい!」



先輩は両手を大きくあげて幼稚園児みたいに喜んでいる。


そんな先輩を見て口元が緩む私は、保護者同然だ。