しょんぼりしている凪を前に戸惑うあたし。

凪の何を知っている訳でもないけど、凪らしくないと思った。


「描けないって……描きたくないってこと?」


凪は下を向いたままに答える。


「描きたいものが何だか分からない。何を見てもなんだか色褪せて見える」


あたしの頭には黒い絵が浮かぶ。

凪はあれを『闇』だと言った。
今の凪には闇しか見えてないんだ。


「なんで、そうなったの?」