その日ナンパされた男とあたしは、連絡先を交換することもなく別れた。 これ以後何かを求める気はなかった。 あぁ、あたし、汚れてるのかな。 梓が言ったように、あたしに関する悪い噂は多い。 それを気にしたことはなかったし、噂が本当のことだってあった。 だけど今日、それが凪の耳に入るのは嫌だと思った。 笑っちゃうな。 凪にはきっとあたしがそういう女だってバレてるのに。 美術室には、もう行けないかもしれない。 梓が言う通り、あたしが美術室に居る理由がない。