「男の子にドキドキとかした事もないんだ?」 あたしはまた頷いたけど、小さく言い返す。 「けど凪にだってドキドキなんかしないよ」 「だけど北澤君は他の男の子とは違うでしょ?」 そう言われてあたしは考えた。 今まで付き合った沢山の男達を出来るだけ思い出して、凪と比べてみる。 ベタベタに甘い男と凪。 やたら格好つける男と凪。 仏頂面の凪、無愛想な凪、無口な凪。 「凪はムカつく奴だ」 あたしの答えはそれだった。