声をかけてさっそく蘭子たちに囲まれた。


昨日笑いをこらえていた蘭子も、笑顔で似合うと言ってくれてる。


ミニスカートをはいているだけで顔が熱くなるのを感じるけど、似合うと言われたら嬉しくないわけがない。


それに、ここにいる男子たちの熱い視線が気になるのだ。


制服のスカートの丈を上げない私が丈の短いミニスカートをはくなんて、と思っているだろう。


くすぐったくて思わずうしろ髪をいじっていると、キャリーバッグを手で引いた理子ちゃんが現れた。


「あっ、おはよーみんな!」


「あれっ、阪口じゃん。どうしたの?」


きょとんとした顔で首をかしげる蘭子に、理子ちゃんが不機嫌そうに頬を膨らませた。


「もー、今日は修学旅行なんでしょ? 茅乃と鹿目さんと同じグループになったんだから混じっとこうと思ったの」


やっぱり理子ちゃんの私服、可愛いな。


派手というわけでも地味というわけでもない、ガーリーなファッションで決めている。


あらためて私が今着ている服を見ると、大きな違いがある。


今日の理子ちゃんのファッションは、理子ちゃんのためにあるかのような感じで似合っている。


私の服は背伸びしたように見えても、私にはまだ早いと感じる。