しかし、私の考えは打ちくだかれてしまう。


「あの子でしょ? 知ってるよ。芦谷末那だっけ? 中学が同じだった子の間では友達がいない性格ブスな子として有名だったらしいよ」


ミカは勘違いしていなかった。


本当に末那のことを言っていた。


驚愕の事実を突きつけられて倒れてしまいそうになる私の肩からミカの手が離れる。


嘘だ……。


私の望みがここでついえたらしい。


もしミカの言っていたことが本当のことなら、今まで私に見せた笑顔や涙などは全部いつわりのものだったということなの?


あの言葉も嘘なのかな。


『なんで……なんでそんなこと言うの⁉︎ 茅乃ちゃんは地味じゃないよ! 私より十分可愛いよ茅乃ちゃんは‼︎ 自覚してよ!』


涙を流しながら私に怒っていた末那。


それも演技なの?


涙を流しながら言った言葉だけは、せめて本音だと言って。


もちろんここに末那はいないからそれを聞くことはできないけど、心の中で問うことはできる。


地味じゃない、十分可愛い。


あれは末那の本心だと思っていた。


だけど、ミカの言葉で、末那の言葉が本当か嘘かわからなくなった。