学校では末那や蘭子などの友人に囲まれて過ごしてるから、さみしさなんて少しも感じなかった。


だけど休みの日になれば、普段の私にもとどおり。


結局、私は誰かがいないと強くなれない弱虫だ。


はぁ、と大きくため息をついたそのとき、ポケットに入れていたスマホが震えた。


着信音で、すぐに末那からの着信だと理解した。


通話モードをタップして耳に当てたと同時に、末那の焦ったような声がスマホ越しで聞こえてきた。


『も、もしもし! か、茅乃ちゃん?』


「末那? どうしたの、こんなときに」


末那はどこかを走っているようだ。


少しだけ騒々しいし、ときおり末那の荒い呼吸が聞こえてくる。


なにか用事があって外を出て、その途中になにかを思い出して私に電話をした、ということだろう。


いったいなにがあるんだろう。


首をかしげながら心の中でそうつぶやいていると、末那がこんなことを言った。


『いきなりでごめん。私、青い橋の近くにある服屋さんの前に向かってるんだけど茅乃ちゃんも来てくれない?』


本当にいきなりだった。