「だ、ダメだよ、茅乃ちゃんを勝手に連れださないで!」
うしろを振り向いて末那の姿を見たが、自分を襲った恐怖が抜けないせいか若干声が震えていた。
末那は自分なりに一生懸命言っただろうけど、蘭子たちには響かなかった。
「芦谷、声震えてるよ? もしかして私たちの言葉気にしてんの?」
鼻を鳴らしておかしそうに言う蘭子。
蘭子の周りにいる女子数人もクスクス笑っている。
図星だったのか、末那は一瞬だけ目を見開いたあと、握り拳を作って手まで震わせる。
「ち、違う……」
「あんた、今目大きくさせたよね? それって肯定を意味してるってことじゃないの?」
どうやら今の末那の一瞬の行動を蘭子はちゃんと見ていたらしい。
蘭子は他人の一瞬の行動に敏感に反応するから、私もびっくりしてしまう。
誰にもバレないようにしていたことを見抜かれてさらに目を見開く末那。
末那がびっくりしてなにも言えない間に、蘭子は私の腕を引っ張った。
「芦谷、茅乃がいるからって調子に乗るなよ」
顔をうしろにチラッと向けた蘭子に廊下へと連れだされる。
うしろを振り向いて末那の姿を見たが、自分を襲った恐怖が抜けないせいか若干声が震えていた。
末那は自分なりに一生懸命言っただろうけど、蘭子たちには響かなかった。
「芦谷、声震えてるよ? もしかして私たちの言葉気にしてんの?」
鼻を鳴らしておかしそうに言う蘭子。
蘭子の周りにいる女子数人もクスクス笑っている。
図星だったのか、末那は一瞬だけ目を見開いたあと、握り拳を作って手まで震わせる。
「ち、違う……」
「あんた、今目大きくさせたよね? それって肯定を意味してるってことじゃないの?」
どうやら今の末那の一瞬の行動を蘭子はちゃんと見ていたらしい。
蘭子は他人の一瞬の行動に敏感に反応するから、私もびっくりしてしまう。
誰にもバレないようにしていたことを見抜かれてさらに目を見開く末那。
末那がびっくりしてなにも言えない間に、蘭子は私の腕を引っ張った。
「芦谷、茅乃がいるからって調子に乗るなよ」
顔をうしろにチラッと向けた蘭子に廊下へと連れだされる。



