影と闇

それでも、末那は口角を下げようとしない。


「私がここまで言っても嫌だって言うなら、茅乃ちゃんを殺す。優しい沖田くんならわかってくれるよね?」


ねぇ、末那。


お願いだから、沖田くんを怖がらせないで。


沖田くんの気持ちを少しだけでも考えてよ。


そう思ったタイミングで、私は末那を睨みつけて叫んだ。


「やめてよ、末那! 私を殺そうとしても、沖田くんは末那を好きにはならないし、嘘でも好きだなんて言えないよ!」


肩で息を整え、末那から視線をはずさない。


私が睨みながら叫ぶとは思わなかったのか、呆然として私を見つめる末那。