影と闇

そんな思いが、私の心を支配する。


しかし、走りだしてからわずか1分で急に足に力が入らなくなった。


うしろから末那が追いかけているにもかかわらず、私はその場に座り込んでしまった。


どうしよう……。


逃げたいのに、力が入らない。


死にたくないけど、足に力が入らないようじゃ、末那に殺されてしまう。


まるで末那がここに来るのを待っているかのように、息を整えながら座る私。


そんな私の背後から、末那が忍び寄ってきた。


足に力が入らない私が滑稽に見えるのか、おかしそうに笑っている。


「バカだね、茅乃ちゃん。私から逃げられるわけがないのに」