影と闇

たとえ自分が警察に捕まったとしても、私を傷つけないと気が済まないと思ったんだ。


でも、私はまだ死にたくない。


イメチェンしてクラスの人気者になって、彼氏ができたんだ。


この幸せを絶対に手放したくない。


そう思ったと同時に、私は末那の手を無理やり振り払い、末那から離れた。


胸ぐらを掴んでいた末那の手の甲が赤くなる。


まさか振り払われるとは思わなかったのか、末那は呆然としている。


その隙に末那に背を向け、グラウンドの奥に向かって走りだした。


「待てぇぇぇぇぇ!」


末那の声が遠くなる。