影と闇

いじめられるのは嫌でしょ?


嫌だったら、蘭子になにか言ってあげて。


心の中で祈ったそのとき、末那がナイフを掲げ、私に向けてきた。


太陽の光がナイフの刃を照らして光らせる。


刃先がキラリと光ったのが見えて、体が小刻みに震えた。


もしかして私、末那に刺される?


顔がさらに青くなるのを感じた。


「……茅乃ちゃん。私、ずっと茅乃ちゃんが邪魔だと思ってたの。だから、死んで」


小声でささやく末那の声で、確信を持った。


末那がグラウンドに来たのは、授業を受けるためじゃない。


私をナイフで刺して殺すためだ。