影と闇

「ねぇ、ちょっと! 私の言うことを聞きなさいよ!」


「…………」


「無視する気⁉︎ お前、嫌われ者のくせに生意気なんだよ!」


どれだけ蘭子が怒っても、末那は無言を貫く。


『嫌われ者』


『生意気なんだよ!』


私が地味子だったときの末那なら、蘭子にそう言われただけで泣いていただろう。


でも、今は泣くどころか無視している。


ねぇ、末那。


どれだけ私を嫌っていてもいいから、蘭子の言葉には反応してあげて。


無視したら、蘭子の怒りを買うだけじゃなく、いじめられるかもしれないよ。


蘭子の性格、末那はわかっているでしょ?