影と闇

無意識に体を小刻みに震わせていると、理子ちゃんがなんとも言えない教室内の空気を破った。


「ねぇ鹿目さん、そろそろ茅乃と沖田くんを避難させたほうがいいんじゃない？ 芦谷さんのせいでふたりが傷つくのは嫌だし」


その言葉に、私はほっと胸を撫でおろした。


沖田くんも安堵の表情を見せている。


私と沖田くんをさらに安心させるかのように、蘭子が満面の笑みを浮かべながら、コソッと私にささやいた。


「茅乃、芦谷は私と阪口にまかせて。なんとか丸め込んであげるから。茅乃は沖田くんと学校デート楽しんでね〜！」


学校デートって。