影と闇


☆☆☆

ついにやってきた、デート当日。


待ち合わせ場所の小さな公園で腕時計を見ながら、まだ来ない沖田くんを待っていた。


今の私の服装は、修学旅行の最終日に蘭子が買ってくれたものだ。


沖田くんがどんな服装が好みなのかは調べてないけど、おしゃれな蘭子が選んで買ってくれたからたぶん『いいね』と言ってくれるだろう。


心の中でぶつぶつとつぶやいていると、こちらに近づいてくる人影が見えた。


その人影は間違いなく沖田くんだ。


沖田くんは私の姿を見つけるなり、軽く手をあげて歩み寄ってくる。


「遅れてごめん。待った?」